2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520289
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
小熊 猛 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 助教授 (60311015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 芳久 金沢大学, 文学部, 教授 (10135890)
金寺 登 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助教授 (50194931)
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Keywords | が / の交替 / 主格・属格交替 / 参照点 / 認知モード / tr / lm alignment |
Research Abstract |
1.言語理解にかかわるデータ解析の実験に必要なERP, MEG(脳磁図)、およびfMRI(機能的磁気共鳴映像法)の研修を、それぞれ九州大学坂本研究室、金沢工業大学近江研究室、およびATRで、実験研究の全体指揮を担当する中村芳久教授(金沢大学・文学部)が金沢大学文学研究科院生とともに行った。海外の研究者の助言も受けて、有効な実験デザインの作成が可能となった。 2.主格・属格のいずれで主語がマークされやすいかを実験で確認する予備実験を行った。具体的には英文を被験者に与え日本語訳をさせる手法を試みた。連体節の述部の違い(動詞,形容詞,形容動詞)によって,属格主語の出現頻度に偏りが認められるかを調査した。第1次の予備調査で,単純に形容詞が名詞修飾する構造の英文を提示したケースでは,属格主語の訳文の出現頻度が極めて高いことが確認された。しかし,この調査における提示英文が関係節ではないことが影響を与えている可能性が推定された。(研究分担者:中村教授)これを受け,所有格関係代名詞も用いた英文を提示して38名を対象に再調査を行った。再調査の結果,主格標示を動機づける提示英文であるにもかかわらず,なお属格主語による訳文の出現頻度が著しく高いことが確認された。 3.中期韓国語における主格・属格交替に関して言及した論文の引用資料を調査したところ,指摘されている形容詞を述部とする属格主語は実は動名詞として分析されているものであり,本研究で問題としている連体形述部の主語に見られる主格・属格交替現象とは異なる部類であることが確認された。 4.2歳児の言語使用観察においては,関係節そのものの発話がわずかしか確認できなかったが,属格関係節,主格関係節は同時期に1回ずつ確認された。現在までのところ獲得の順序に関して,属格主語関係節が主格主語関係節に先行するとは言えないことを示唆する状況にある。
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Research Products
(3 results)