2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520300
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 泰生 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (60203626)
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Keywords | 外国資料 / ロシア資料 / レザノフ資料 / 『世界図絵』語彙索引 |
Research Abstract |
本研究の目的は、古辞書やロシア資料を用いて、日本語を形態音韻的に分析するのが目的である。 第一点は、ロシア資料などに見られる訛形で、方言では普通の形であるものが、京都を中心とした文献(古辞書など)にどのように出現しているか、そしてそれがどのような意味をもっているのか、形態音韻論的な観点から分析し、日本語の歴史に位置付けようとするのが目的である。 そのためにも、ロシア資料が簡単に使えるような環境を整えることも重要な目的となる。 目的の第二点は、古辞書や古文献の語彙を形態音韻論の資料として分析することである。『世界図絵』の語彙は大量にあるので、これを使いやすいようにまとめたいと考えている。 以上の目的を達成すべく、次のような計画をたてた。 (1)報告書の作成 (2)レザノブ資料についての研究成果の口頭発表(レザノフ資料は仙台の方言資料なので、秋の日本語学会(岩手大学)あるいは方言研究会で発表することを計画) (3)レザノフ資料についての研究成果の活字化 (4)『世界図絵』語彙索引の完成 (5)『友好会話手本集』『世界図絵』のtexファイル化、およびCD-ROM化…これは報告書に添付する予定である。報告書冊子の予算はこれを念頭に入れている。 (6)その他、研究成果の活字化…「佐賀戯作資料のバン」など学会発表の活字化 この計画について、本年度では以下のような成果を得た。 (1')科学研究費成果報告書『古辞書・ロシア資料による日本語形態音韻の研究』(207頁)を作成した。 (2')「レザノフ資料の日本語」という題目で方言研究会全国大会で口頭発表した。 (4')報告書中に、『世界図絵』語彙索引を収録した。 (5')『世界図絵』『友好会話手本集』の翻刻資料CD-ROMを添付した。 (3')と(6')についてはなるべく早く活字化する予定である。
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