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2007 Fiscal Year Annual Research Report

琉球八重山方言の比較歴史方言学に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 17520303
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

狩俣 繁久  University of the Ryukyus, 法文学部, 教授 (50224712)

Keywords琉球方言 / 八重山方言 / 比較歴史方言学 / 波照間島方言 / 石垣白保方言 / 比較音韻論 / 形容詞語尾
Research Abstract

本年度は白保方言の臨地調査と波照間島方言・白保方言の比較研究とを行なった。日本語標準語の影響は、予想以上に大きく、回答を得られない単語が少なくなく、近接する方言間の言語年代学的な数値を出すには無視できない数であった。そこで、波照間島方言、白保方言の母音、子音を語頭、語中のさまざまな音環境で詳細に比較検討し、両方言で音韻変化がどのように起きたかを詳細に検討した。両方言で類似するものの多くは、分岐前の祖方言の形式を保存するものだけでなく、変化の要因などを共通に有したまま分岐し、別個に平行的に変化したものがあることがわかった。波照間島、白保方言に特徴的にみられる語末のN音挿入も分岐後の平行変化である。母音の音位転換と子音の音位転換があることを指摘したが、音位転換は分岐後の収斂変化であることがわかった。形容詞の代表形を収集し、波照間島方言と白保方言の比較をおこなった。両方言の比較の結果、波照間白保祖方言の形容詞語尾は-haNであったが、両方言ともに、周辺方言、とくに石垣島中心市街地方言の影響で一部形容詞の語尾に-saNと-sahaNを有する語があることがわかった。saN形容詞は借用語形であり、sahaN形容詞は、saN形容詞のsa連用形をhaN形容詞の語幹として取り込んだものである。sahaN形容詞の発生は両方言の平行変化である。形容詞語尾の違いが八重山方言、宮古方言の下位区分の重要な指標になりうることもわかった。文法現象は、名詞の語彙に比べて借用されにくく影響も小さい。文法現象が体系であることを反映して借用された形容詞語彙は、その判別が名詞に比べて容易であることもわかった。

  • Research Products

    (3 results)

All 2008 2007

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 琉球語音韻変化の研究(1)2008

    • Author(s)
      狩俣 繁久
    • Journal Title

      ことばの科学 12

      Pages: 267-347

  • [Journal Article] 琉球方言音韻研究の現況-音韻変化の体系の研究をめざして2007

    • Author(s)
      狩俣 繁久
    • Journal Title

      国文学解釈と鑑賞 第72巻7号

      Pages: 28-38

  • [Journal Article] これまでの琉球方言研究、これからの琉球語研究2007

    • Author(s)
      狩俣 繁久
    • Journal Title

      沖縄言語研究センター資料 161

      Pages: 1-12

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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