2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520317
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤原 保明 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (30040067)
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Keywords | 中英語 / 近代英語 / 不定代名詞 / 数量詞 / one / 英語の諺 / 限定用法 / 独立用法 |
Research Abstract |
本年度は、散文についてはMandevill's TravelsとPaston Letters and Papers、韻文についてはジョン・スケルトンのすべての詩、スペンサーのThe Faerie Qveen(1590)、シェイクスピアの作品中の韻文形式で書かれた部分を対象に、不定代名詞を抜き出し、分析可能な状態に整えた。ついで、英語の諺に中英語から現代英語まで不定代名詞が豊富に合まれていることに鑑み、oneに焦点を当てて具体例を抽出し、分析した。 後期中英語の数量詞とoneの複合と共起、および、初期近代英語の不定代名詞とoneとの共起および複合については、1590年がeach, many, every, some, anyとoneが複合または共起する境界となっていることに着目し、詳細な分析を行なった。この結果は、近代英語協会第23回大会(平成18年5月19日(金)、名古屋大学)において「英語の数量詞とoneの結合と共起について」と題して研究発表を行い、論文としては、「英語の複合不定代名詞の史的発達」を『文藝言語研究』(言語篇50、pp.1-28、2006年10月31日刊)に発表した。ついで、諺の中のoneを分析した結果については、「英語の諺における。oneの用法」と題して『文藝言語研究』(言語篇51、pp.13-30、2007年3月31日刊)に掲載した。この論文では諺の冒頭に位置するoneは用法によって意味が全く異なり、非独立の限定用法では数詞の「1」が基本であるが、独立用法では一般に「人」を表す、などの興味深い事実の指摘を行なった。 その他、今年度は共著『英語の語形成』(2006年11月1日、英潮社刊、xvii+500pp.)に「英語の語形成」(pp.210-277)を執筆した。これは、平成14年度〜平成16年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))を得て行なわれた研究「ゲルマン諸語の造語法の普遍性と特殊性に関する通時的・比較言語学的研究」(課題番号:14510578、研究代表:藤原保明)の成果の一部である。
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Research Products
(3 results)