2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模コーパスに基づいた英語の名詞化現象の実証的研究
Project/Area Number |
17520332
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
森田 順也 金城学院大学, 文学部, 教授 (20200420)
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Keywords | 言語学 / 派生形態論 / メンタルレキシュン / 名詞形 / コーパス / 反語彙主義 / 分散形態論 / 語彙競合 |
Research Abstract |
本研究は、英語の名詞化現象を研究テーマとする。具体的には、以下の3点の研究を行った。(1)「形態論研究に対する大規模コーパスの有効性-形容詞由来の抽象名詞を例として-」要点:語彙部門にリストされる項目の数を減らし、未登録の項目を語形成装置によって導き出すことによって「経済的なレキシコン」を追求する。接尾辞-ity/-nessによる形容詞の名詞化に関して、(i)特定の基体形に対してある接辞が選択され他の接辞の付加が阻止されること、及び(ii)生産的な-ity/-ness語形成規則によって未登録の派生名詞が補充されることを、大規模コーパスを駆使して実証する。(2)"Where Does Nominalization Take Place?-An Antilexicalism Model"要点:統語と形態のインターフェイスに属すると従来議論されてきた名詞化が、文法のどのレベルで行われるかを考察することによって、厳しく制約されるべき形態的情報と統語的情報の相互作用の仕組みを解明する。反語彙主義の立場から名詞化の分析を提案し、大規模コーパスを使用してこれを例証する。主にBNCからのデータに基づいて、オンラインで新造されるとみられる事象名詞を使って語彙主義の問題点を議論する。(3)「名詞形成における『変則』-語の内部に出現する機能範疇」要点:「X^0の構成素に機能範疇は生起しない」という(複雑)語に課される一般的条件に反して、複合語名詞内に機能範疇が入り込んでいく過程について、2種類の事例を取り上げて背後に働く原理を実証する。
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Research Products
(3 results)