2006 Fiscal Year Annual Research Report
言語変化と複雑適応体系-英語の史的発達とネットワークに基づいて
Project/Area Number |
17520337
|
Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
小倉 美恵子 鶴見大学短期大学部, 総合教育, 教授 (60074291)
|
Keywords | 言語拡散過程 / 言語淘汰 / 言語ゲーム / 多義語 / ネットワーク / 複雑適応体系 |
Research Abstract |
1.言語変化の伝播と社会的ネットワーク 言語拡散過程、つまり言語淘汰による変化と言語ゲームによる変化の拡散過程と、社会的ネットワークの関係を英語史上からのデータとシミュレーションに基づいて調査した。シミュレーションをすることで、多様な現象の背後にある法則を明らかにすることが可能となり、言語変化の拡散による複雑適応体系をより明確にすることができた。 成果を14th International Conference on English Historical Linguistics, Universita di Bergamo, Italy, August 21-25,2006で発表した。 2.英語の語義のネットワーク体系 現代英語と古英語をデータに用いて、動詞および名詞の語義相互間におけるネットワーク体系、特にスモールワールドネットワークを明らかにした。まずA Thesaurus of Old English, OED, Corpus of Old Englishに基づき、古英語の名詞24851語義について同義語、多義語、頻度、最終例の情報を盛り込んだデータを作成した。このデータを基に、古英語の名詞の語義間の距離を、単義語のみの場合、単義語に多義語を加えた場合について計量し、単義語に多義語が加わることによりスモールワールドネットワークが形成されることを明らかにした。また17年度作成した古英語の動詞と比較し、動詞のほうが名詞よりも多義語が多く、また1語の平均意味数も多く、動詞は名詞よりもより緊密なスモールワールドネットワークを形成していることを明らかにした。更にスモールワールドネットワークを形成する上でもっとも重要な要素は語の頻度であるごとを膨大な例に基づいて実証した。 WordNet, OEDに基づき、現代英語の名詞141849語義について、同義語、多義語、頻度、・最終例の情報を盛り込んだデータを約半分まで作成した。
|
Research Products
(1 results)