2007 Fiscal Year Annual Research Report
言語変化と複雑適応体系-英語の史的発達とネットワークに基づいて
Project/Area Number |
17520337
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Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
小倉 美恵子 Tsurumi Junior College, 総合教育, 教授 (60074291)
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Keywords | 言語拡散過程 / 言語淘汰 / 言語ゲーム / 多義語 / ネットワーク / 複雑適応体系 |
Research Abstract |
1.言語変化の伝播と社会的ネットワーク 言語は、生成的、知覚的、認識上の制約に適応すべく変化するという言語淘汰と、変化は個々の人の相互作用により起こるとする言語ゲームを統合した言語拡散過程において、small-world network,scale-free networkという異なったネットワークがどのように影響を及ぼすかを、英語史上からのデータとシミュレーションにより調査を行った。これらの成果を複雑適応体系の中で統合し、International Seminar on Language,Evolution and the Brain(国際高等研究所、2007年4月23-28)で発表した。 2.英語の語義のネットワーク体系 現代語と古英語をデータに用いて、単義語、多義語相互間におけるネットワーク体系、特にsmall-world networkを明らかにした。17年度は現代英語の動詞及び古英語の動詞、18年度は古英語の名詞について調査を行った。19年度は、WordNetに基づき、現代英語の名詞141849語義について、単義語、多義語、同義語、頻度、初例の年代の情報を盛り込んだdatabaseを完成させた。 次にA Thesaurus of Old Englishに基づく古英語の動詞と名詞、WordNetに基づく現代英語の動詞と名詞について、単義語のみの場合、及び単義語に多義語を加えた場合の距離と、群を形成する語義数を統合することにより、単義語に多義語が加わることにより、緊密なsmall-worldnet workを形成することを明らかにした。更にsmall-world networkを形成する上で最も重要な要素は語の頻度であり、頻度の高い語ほど基底を成すhypernyln treeの上位を構成しており、この体系は時代を通して頑強であることを膨大なデータに基づいて実証した。成果は、7th Evolution of LanguageConference Barcelona 2008(2008年3月11-15日)で発表した。
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Research Products
(4 results)