2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模コーパスに基づく日本語複合助詞の研究〜中上級日本語教育のための〜
Project/Area Number |
17520340
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
花薗 悟 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 講師 (40334453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏崎 雅世 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 教授 (00262212)
小林 幸江 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 教授 (40114798)
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Keywords | 複合助詞 / 複合辞 / 後置詞 / 格 / 文法化 |
Research Abstract |
中上級日本語教育の教授内容の中で重要な文法事項であるにもかかわらず、教育現場に役立つ記述が十分になされていない一群の文法項目である複合助詞(「に対して」「にかかわらず」「について」「に関して」など)について、大規模コーパスから作成したデータベースを基に、日本語教育の現場に直ちに還元できるような形での文法記述を行なうことを目指した。 まず、代表的な複合助詞とされる形式についてコーパス内の頻度を調べ、記述すべき複合助詞を抽出した。その際、中上級教科書も調査し、どのような複合助詞が使用されているかを調査をも平行して行い、記述するべき複合助詞を決定した。 それらをもとに、各形式の記述を行った。具体的に記述したのは「に対して」「を通して」「にわたって」「にあたって」「に際して」「をめぐって」である。各形式の記述では、日本語教育に必要とされる情報を提供するということを目的とし、複合助詞がどのような語を結びつけるのか、結びつく語の違いによってどのような意味の違いが発生するのか、また類似した意味をあらわす形式とどのように異なるのかなど、教授上で必要な知識に集中して各形式を記述した。今回記述できた形式に関しては、たとえば「に対して」において、授与や発話の相手として用いられる用例がかなり多いということや、また対比をあらわす用法と格助詞的な用法との関係など従来直感的な記述に頼っていた部分をデータに基づいて明らかにできた。
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