2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本人ボランティアと外国人学習者の教室におけるコミュニケーションの研究
Project/Area Number |
17520346
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
尾崎 明人 Nagoya University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (60119659)
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Keywords | 日本語教育 / 地域日本語教育 / ボランティア日本語教室 / 日本語ボランティア / 教室活動 / 教室談話分析 / 接触場面 / 異文化コミュニケーション |
Research Abstract |
今年度は3年目の最終年度なので,新たなデータ収集は行わず,これまでに収集した2種類のデータを整理し,分析作業を進めた。 1.アンケート調査票のデータ処理と分析 アンケート調査票の記載内容は昨年度にコンピュータへの入力作業を終えていた。今年度は選択肢を選んで回答する設問(問1〜問21)に関してはクロス集計を含む量的分析を行った。その結果,回答してくれたボランティア475名のうち,約1割は日本語教師養成講座を修了した日本語教師の卵であること,50代の主婦が日本語ボランティアの主力であることなどが明らかになった。 自由記述欄の記載件数延べ1733件について,書き込まれた意見,感想,報告などの意味内容を分析し,その分析結果をコンピューターに入力し,日本語ボランティアが何に困っているか,外国人学習者の支援を通じてボランティア自身が何を感じ、何を考えているのかを分析した。その結果,ボランティア日本語教室では外国人学習者の多様性に対応するのが難しいということがもっとも大きな問題の一つであることが分かった。 2.ボランティア教室談話の分析 昨年度はボランティア教室の授業7回分を文字化した。今年度は文字起こしデータのチェックと修正を行い,文字化の精度を上げる作業を進めた。 平成18年9月から12月まで日本語教室に参加した二人の外国人学習者(モンゴル人女性と中国人男性)の発話に焦点をあて,この二人の初級日本語学習者と二人のボランティア(1名は日本語教育経験者,もう1名は日本語教育未経験者)との接触会話を分析した。この短い期間でも中国人学習者の日本語が滑らかになったこと,マンツーマンの場合とグループの場合では外国人学習者の会話姿勢に違いが見られることなどが分かった。
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