2007 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔地学習者の語彙習得を支援するタスクの開発とその効果に関する試行的研究
Project/Area Number |
17520348
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
隈本 順子 Oita University, 国際教育研究センター, 教授 (60336245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岩 幸太郎 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (90223726)
金森 由美 大分大学, 国際教育研究センター, 講師 (80264323)
中溝 朋子 山口大学, 国際センター, 准教授 (70305217)
坂井 美恵子 大分大学, 国際教育研究センター, 准教授 (60288868)
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Keywords | 語彙習得 / 語彙タスク / 自律学習支援 / Web / 遠隔地教育 |
Research Abstract |
平成19年度は本研究の最終年度であり、計画にそって研究総括を行った。 本年度新しくシステムに加えた機能の一つが、音声データの入力である。語彙学習の中で自律学習上、必要な語彙の発音を提示するためである。しかし、本年度の本題はシステムの有効性の検証である。 日本語学習者と海外の大学の日本語教員の協力を得て、語彙習得システム「かぐやひめ」の試用と評価を開始した。対象者は、本学の日本語初級学習者とオーストラリアの3大学(メルボルン大学、モナシュ大学、クイーンズランド工科大学)の日本語教員であるが、彼らからのフィードバックを基にできる限り改良に努めた。日本語教員からの評価は概ね肯定的であったが、実際に使用した学習者からは技術的な問題が指摘された。具体的な問題点は、日本語のシステムが内蔵されていないコンピューターの使用者からの「システム不作動」とか「文字化け」等のクレームである。これは遠隔地学習を謳う本プロジェクトにとって深刻な問題であるが、オーストラリアの大学教員からの技術的なアドバイスでほぼ解決した。 そのほか、タスクに使われたイラストの絵すべてが語彙の意味を明確に引き出す役目をしていないことも指摘されたが、絵の内容を英語で表配することでこの問題に対応した。 以上のような問題点にも対応しながら、当初の目的どおり、自律学習、協働学習の特徴を持った「語彙習得を支援するタスク」の完成をみた。教育面での成果は、今後、遠隔地キャンパスの学習者や来日前に海外の協定校の学習者に提供することが可能になったことである。 研究面においては、システムの使用者が少ないため、今年度は学習履歴データの量が少ないが、語彙研究の一歩を踏み出すことができたといえる。今後さらにデータが蓄積されれば、語彙研究の量的データとしても利用できる。教育面だけでなく研究面でも一応の成果があげられた。 本年度中に下記の学会で本プロジェクトに関する研究成果発表を行った。 1.第20回日本語教育連絡会議(8月16日・17日:ハンガリー カーロリ・ガシュパール・カルビン派大学)「初級日本語学習者の語彙習得を支援するタスクの開発」隈本・ヒーリー順子 2.外国語教育メディア学会関西支部2007年度秋季研究大会(10月27日:摂南大学)「語彙習得システムWeb-BTの開発と試用」坂井美恵子・金森由美・中溝朋子
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Research Products
(7 results)