2005 Fiscal Year Annual Research Report
英語入門期のつまずきに対処するための指導法の開発-小中連携の視点から
Project/Area Number |
17520368
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大井 恭子 千葉大学, 教育学部, 教授 (70176816)
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Keywords | 入門期指導 / 英語教育 / ライティング指導 / 小中連携 |
Research Abstract |
本年度は初年度ということでもあり、文献研究や小学校・中学校の教諭を対象とした意識調査をした。一つは、中学校英語教師が感じている入門期の困難点に関する調査を行った。ここから、中学の英語教員は中一一学期の指導に関し様々な困難点を抱えていることが見えてきた。次に、文字指導に関する小中連携という視点から、小学校教諭に「ローマ字に関するアンケート」を実施した。生徒に関する調査としては、入門期の実態を把握するために中学一年生6月時点での英語の力の実態調査として「スタートラインチェック」を実施した。その結果として中学一年の入門期においてアルファベット大文字小文字を完全に書くことができるのは約半数にとどまることがわかった。こうした一連の意識調査から問題点が絞り込まれてきた。 実証的な研究としては、次のものがあげられる。まずは小学校でこれまでタブーとされてきた文字指導に関し、本研究者の研究室所属の長期研修生(現役中学校英語教諭)に、小学校での英語活動における文字指導を検証授業として取り組んでもらった。小学生に対する英語の文字指導であっても、帰納的に無理なく学ばせることが可能であることがわかった。次に小中連携ということで、中学生による小学生に対する英語のストリーテリングという目的のために、選択授業において一学期間、内容理解・書き直し等の学習を積ませ、実際に小学生の前でstory-tellingの実践を行った。これは全く新しい試みであり、小中学生の潜在能力に関しての新たな発見になった。中学生レベルの試みとしては、中学生のライティング活動を支援するものとして、インターネット上に「中学生のライティング広場」というものを開設し、そこに自由に書き込み投稿をさせ、それを大学生がfeedbackするという試みをした。これも全国的にみて前例のない試みであり注目された。この研究は関東甲信越英語教育学会紀要に掲載された。 来年度は本年度実施した意識調査から絞り込まれたテーマを中心に、実証研究や教材を開発していく予定である。
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Research Products
(2 results)