Research Abstract |
今年度は,プロジェクト以前に開始していた理論的整備・データ作成を継続するとともに,フラッシュ版教材などIT教材の機能を評価・検討しつつ,ドイツ語IT教材作成のコンセプトをまとめ,ドイツ語IT教材作成の実践的作業に取り組んだ。 中心的に行ったことは,言語運用研究の理論的整備(言語研究における理論と応用の相互関係,言語使用の理論的位置づけ,言語教育の理論的枠組み等)と自動正誤チェック,音声コンビネーションなどから構成される訓練教材のプログラム設計と試作である。この教材は平成18年4月からオンラインでの実験的使用が可能になる。 なお,訓練教材作成のコンセプトとしては,プログラム開発として,練習問題の訂正が随時可能なものを志向した。また,文例作成を基本として,その学習に際して,不十分と判断される動詞人称変化,名詞句格変化を補助的に行う方式を採用した。 説明教材は,コンテンツの整理・作成をかなりの程度終えた。説明文はPDFファイルとし,訓練教材にリンクすることとした。また,学習者達成度管理システムに関しては,その実現に適した教材開発が必要であるとの知見に基づき,その作成準備に入った。 ドイツ語教育に関する情報収集も行い,ドイツ語教育の実情(学生のニーズ,教材上のニーズ等)に合った教材開発の方向性に関して各種考察を行った。 全体として,ドイツ語研究の成果を応用しつつ,学習者の言語規則理解のための認知負担と言語形式の定着訓練のための心理負担をIT技術によって軽減し,学習の効率性を高める目的の基礎作業を終え,ドイツ語教育改善のための一定の道筋を拓くことができた。
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