2005 Fiscal Year Annual Research Report
コメデイカル大学における英語教育のニーズアナリシスに基づくカリキュラム開発
Project/Area Number |
17520393
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 美子 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (10049041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南井 紀子 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (30296206)
宮崎 路子 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (60306230)
千葉 礼子 国際医療福祉大学, 保健学部, 講師 (20296205)
植田 麻実 国際医療福祉大学, 保健学部, 講師 (00184937)
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Keywords | ニーズアナリシス / コメディカル / カリキュラム開発 / 内発的動機 / 習熟度別 / ESP |
Research Abstract |
国際医療福祉大学は、医療系9学科を持つコメディカルの総合大学である。さまざまな医療専門分野を専攻する本学学生全体を視野に入れ提供できる英語教育を、ESP(English for Specific Purposes)を基盤にして行うという研究課題を掲げ、基盤研究としてニーズアナリシスの手法を用いることとした。そこで、平成17年度には、まず先行研究の多くの文献を調べることから始めた。「ニーズ」が「誰にとってのニーズ」なのかがまず問題であることから、学習者のみならず、社会に出た卒業生、送り出す側の教員、医療臨床現場の担い手等、立場によって異なってくるニーズを的確に把握する必要性が出てきた。加えて、教養としての英語教育という教育目標も見逃せない。英語学習への動機の理解、カリキュラム構築の実現可能性も考慮する必要があることも踏まえて研究に着手した。ニーズ調査の一般的な手怯として、アンケートおよび面接調査を実施した。1年の学生に対して、職業人としての将来予想されるニーズ、個人の興味の2方面から彼らが必要と考える英語スキルをアンケート調査した。学科教員に対しては、職種を考慮に入れた学生の英語力向上に関して、主にアンケートと面接調査を行った。卒業生には、職業人として現場での英語力の要望と学生時代に身につけたかった英語力について郵送でアンケートを回収した。結果は、学生は個人として身につけたい英語力と職業人として研鑽したい英語力を明確に区別していることがわかった。また、教員が期待する「専門分野に関しての読解力と発表力」と、学生の要望は、必ずしも一致しなかった。どちらも無視できない英語教育の目標である。卒業生は、職業人として身につけたい英語力として、特に、コミュニケーションを学ぶ必要性と、専門分野の文献の読解力を強く示している。 さらに、総学生数が4000人を越える今、その習熟度の格差も考慮に入れ、習熟度別のニーズを捉え、学習意欲を喚起させる多面的なカリキュラムの必要性が浮かび上がってきた。広範なニーズの分析をさらに探め、新しい英語カリキュラムを試行するにあたり、時間数の限られた総合教育の一端としての英語教育の場で、学習者が自律的に英語学習に取り組む道筋を作るには、「言語習得への内発的動機」、すなわち、学生時代も職業人となっても、自分で力をつけ続ける学習意欲や、「個人的目標」を実現するための手段を、教育者側が提供できるかどうかも重要なキーとなって<ると考えるにいたった。それらを盛り込んだカリキュラムを開発することが来年度の研究課題である。
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Research Products
(1 results)