2007 Fiscal Year Annual Research Report
学習者コーパスに基づく英語ライティング能力の評価法に関する研究
Project/Area Number |
17520394
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
成田 真澄 Tokyo International University, 言語コミュニケーション学部, 教授 (50383162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 正利 名古屋大学, 大学院・際開発研究科, 教授 (80216308)
原田 康也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80189711)
井佐原 均 独立行政法人情報通信研究機構, 第2研究部門・知識創成コミュニケーション研究センター・自然言語グループ, リーダー (20358881)
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Keywords | 学習者コーパス / ライティング能力 / 評価法 / 発達指標 |
Research Abstract |
本研究は、日本人英語学習者の英文ライティング能力を測定する上で有効な評価項目や発達指標を検討することを目的としている。具体的には、指定された話題に関して日本人大学生が制限時間内に英語で産出した論述文を学習者コーパスとして収集し、これらの英文を英語母語話者が評価し、その評点と高い相関が見られる評価項目や発達指標を特定することを試みる。 本年度は、これまでに構築してきた学習者コーパスを整備し、5つの評価項目(「内容」・「論理/構成」・「語彙」・「文法」・「機械的技術」)から構成される分析的評価法を用いて英語母語話者に評点してもらい、各評価項目と評点との相関関係を分析した。さらに、産出された論述文の総単語数や1文あたりの単語数、内容語の比率といった複数のライティング発達指標を設定し、コンピュータ上の言語処理ツールを用いて各々の指標値を自動的に算出し、評点との相関関係を分析した。分析の結果、英文ライティングの評点と統計的に有意な正の高い相関関係が認められたのは、「内容」や「文法」といった評価項目と、産出した英文の総単語数であった。また、TOEFL ITPスコアといった英語の習熟度レベルとも有意な正の相関が認められた。 本研究において日本人大学生の英文ライティングの評点と高い相関を有する評価項目や発達指標を特定できたことにより、教室での英文ライティング指導において重点を置く内容が明らかになり、発達指標を使ったコンピュータによる分析でライティング評価を行える可能性も示された。今後は、学習者コーパスの規模を拡大し、日本人英語学習者の英文ライティング能力に大きな影響を及ぼす発達指標が他にもあるかどうかを検証していく必要がある。
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Research Products
(5 results)