2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本と中国における大学教養英語の教育比較研究:問題の特質を探る、展望と対策を提出
Project/Area Number |
17520404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
陸 君 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (40351374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 克美 宮城大学, 事業構想学部, 教授 (10288681)
田浦 秀幸 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40313738)
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Keywords | 中国現地調査 / 教養英語教育 / 授業参観 / 教員との懇談 / 学生インタビュー / 英語学習アンケート / 新入生英語力測定 / 統計処理 |
Research Abstract |
研究期間3年間の1年目として、本年度は以下の5項目を実行することが出来た。 1)4月〜5月:今後3年間の大まかな計画を立て、それに沿って本年度は何をすべきか検討した。その結果、本年度は中国上海地区の大学の英語授業の見学、現地英語教員のインタビュー、及び入学当初の中国大学生の英語力測定を行い、その結果分析を通して次年度以降の研究の絞り込みをすることに決定した。 2)6月〜8月:上海地区の大学訪問の事前折衝と調整に取りかかると同時に、現地での役割分担(インタビュー・撮影・録音)を決定した。また、アンケート調査項目の検討、最終決定も行った。学生の英語力判定ツールとしてはTOEFLテストを実施することも決定した。 3)9月7日〜9月24日:復旦大学・交通大学、及び理工大学・江南大学において、授業見学、施設視察・教員との懇談、学生インタビュー、英語学習アンケートなどを行い、基礎資料の収集を行った。 4)10月〜2月:現地で収集した資料を整理した結果が以下の通り。 (1)中国の大学英語教員の質の高さ。授業はすべて英語で行うだけの英語力をほぼ全員が持ち合わせていた。 (2)学生の英語学習における動機付けの高さ。学生の授業に対する集中度が高く、課外英語学習時間には平均毎日約3-4時間を割いている。 (3)TOEFLスコアーの日中大学1年入学時の比較を行った結果、リスニング、文法、リーディングの各スキルでは若干ばらつきがあるものの、上海理工大学(489点)と江南大学(471点)の学生間に有意差はないが、日本の2国立大学(436点と447点)の学生よりも有意差5%レベルで高得点を挙げていることが判明した。 (4)英語レベル到達育成制度が確立されている。大学教養英語はBand Testを導入することで目標を明示し、統一教材のCollege Englishを用い内容も4Skillのバランスが取れている。難関大学では、二年生前半終了時に、Band4テスト、後期終了時にBand6にほぼ全員合格する。平均レベルの大学でも二年生前期には70%,後期には95%の学生がBand4テストに合格している。 (5)Webやラジオを使った教材を学生に提供することで、授業時間外に英語力増強に励む環境が整えられている。 5)3月:以上の結果を踏まえて2年目の活動計画を立案中。尚、本年度の調査成果は18年度9月に開催される全国大学英語教育大会で発表予定。
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