2006 Fiscal Year Annual Research Report
戦前の学際的アジア研究調査により記禄された画像資料に関する系統的研究
Project/Area Number |
17520414
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平勢 隆郎 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30144645)
|
Keywords | 古写真 / ガラス乾板 / 戦前の学術調査 / 造形資料 / 画像資料 / アジア研究 / 東方文化学院 |
Research Abstract |
本研究は、東京大学東洋文化研究所(以下、東大東文研)に所蔵される写真ガラス乾板および写真資料として購入・寄贈された資料の内容を精査し、そのリストを作成し、同時に乾板と写真資料を継続的に保存していくための措置を講じ、また、ガラス乾板精査の結果に基づき、写真が撮影された時期・撮影者・研究課題の特定を行い、それぞれの研究分野における位置づけと価値を評価する。 東大東文研所蔵の写真資料は、昭和43年外務省から移管された旧東方文化学院東京研究所の諸史料の中に含まれていたものであり、鳥居龍蔵の「満蒙の有史以前と遼代契丹人の文化に就いて」等の研究時期に撮影されたものや、常盤大定の撮影した大部の仏教美術写真、関野貞・竹島卓一の撮影による東アジア各地の建築写真や拓本写真等、歴史学・文化人類学・宗教史・美術史・建築史・写真史などさまざまな分野の研究調査資料であることがわかっている。 これらに収められた風俗・風景・建築等は、すでに失われたものも少なくない。また、旧所蔵先である東方文化学院が廃止されたため、論文や著書その他のメディアに発表されていないものを多く含んでいる。これらを整理して公開活用することは、アジア地域の研究を深化させ、国際的な学術交流の活性化につながる。 18年度は、東方文化学院旧蔵の写真ガラス乾板約1500枚の内容調査を行い、被写体内容や撮影者、初出掲載書籍などを明らかにした。その中には文化人類学者であった鳥居龍造が東方文化学院時代に行った調査写真の原板があり、ほぼその全容が判明した。また、常盤大定・江上波夫・関野貞・佐伯好郎らの撮影による原版の存在が明らかとなった。これらは東方文化学院旧蔵写真ガラス乾板の目録として、研究成果報告書に添付する。
|