2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520433
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三宅 紹宣 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10124091)
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Keywords | 軍制改革 / 幕末期 / 長州藩 / 薩摩藩 / 佐賀藩 / 会津藩 |
Research Abstract |
本年度は、下記のような史料調査と収集史料の分析を行った。 1 史料調査 (1)国立国会図書館 幕末の軍事技術にかかわる文献及び山口県・鹿児島県・佐賀県・福島県の自治体史を調査収集した。また、長州藩軍制改革にかかわる広沢真臣・井上馨等の史料について調査収集した。 (2)山口県文書館 長州藩軍制改革にかかわる毛利家文庫・県庁伝来旧藩記録・両公伝史料を調査収集した。 2 史料分析 収集史料を使用して、軍制改革が最も顕在化して現れる幕長戦争について、戦闘場面における軍事技術、軍事編制、指揮命令系統等について分析した。この結果、幕府陸軍歩兵組が幕末期において最も西洋式軍制が進展していたことが判明した。しかし、諸藩の旧式の軍隊と混成部隊であり、統一的指揮に欠けており、藩庁政事堂の統一的指揮のもと、均質に西洋式軍隊化された部隊の効率的軍事運用を行った長州藩に敗退した。この結果、幕府旗本軍の西洋式軍隊への改変が取り組まれることになった。さらに、会津藩は幕府の指導を受けて軍制改革を開始した。しかし、旧来の弓矢や槍術の師家の抵抗が強く、西洋式化は難航し、その達成は幕末期においたは困難であった。この点、旧来の武術勢力の抵抗を押さえつけ、軍事改革を断行した長州藩と異なっている。この要因について、藩体制の特質を含めて次年度以降において更に調査分析を進めたい。
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Research Products
(1 results)