2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代日朝関係史再考-宮本小一の朝鮮論と宮本が進めた日朝修好条規(「江華島条約」)
Project/Area Number |
17520445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
諸 洪一 札幌学院大学, 社会情報学部, 教授 (60274403)
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Keywords | 宮本小一 / 江華島 / 仁川 / 日朝修好条規 / 開国 / 幕臣 |
Research Abstract |
初年度の調査の対象は、第一に、明治初期日朝交渉関係史料群、第二に、宮本小一個人に関する史料群であった。総体的に、前者の史料は公刊・非公刊を含めて比較的豊富であったが、後者の史料は予想したとおり乏しいものであり、幕臣にも市民権が許される時代の明治後期に偏っていた。以下、各地域における主な資料収集の実績を示すと次の通りである。 1.東京 外務省外交史料館・防衛研究所図書館において『対韓政策関係雑纂』・『公文類纂』などの開港期日朝交渉史料を収集した。国会図書館憲政資料室においてはわずかながら宮本個人関係の史料が残っており、所蔵者(鮫島氏、上野氏)の許諾を得たうえ複写することができた。東京大学史料編纂所においては、宮本が編纂した『杜鵑啼血帖』(重要文化財)や宮本の書簡を登載している『重野安繹宛名士書翰集』などを複写・収集した。 2.長崎県立対馬歴史民俗資料館 膨大な近世史料に比べればわずかではあるが、「『宗家文庫』記録類IV・政治」を中心に維新後の日朝交渉関係史料を撮影・収集した。 3.韓国 国史編纂委員会において韓国の開港期に関する研究論文を収集する一方、宮本の手がけた開港地・仁川を調査した。仁川には仁川広域市立図書館が中心であるが、開港期に関する資料はほとんどが「花島鎮図書館」に網羅されていた。重要な文書類は中央省庁に運ばれたようであるが、今までの仁川市史や写真資料などを閲覧・撮影することができた。 4.総括 開港期の日朝交渉に関する公刊・未公刊史料の収集はある程度の成果があったと思う。宮本個人関係の史料については、ある程度の成果はあったもののそのほとんどが幕末の詩文集や間接資料であった。今後一応の成果を公表すると共に引き続き宮本家関係資料の発掘に努めていきたい。
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