2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520456
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
真栄平 房昭 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (50183942)
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Keywords | 琉球 / 日本近世史 / 朝貢貿易 / 海事史 / 東アジア交易 / 流通経済 |
Research Abstract |
本研究の目的は琉球・日本・中国側史料を比較分析することで、東アジアにおける「モノ」の流通ネットワークを解明することである。研究期間の2年目にあたる今年度は、以下の項目について研究を進めた。 1.昨年度の「薬種」に引き続き、新たな「モノ」として中国から琉球に渡った「唐紙」に焦点をあてた。『清代中琉関係档案選編』では、毛辺紙・油紙・甲紙など17点の紙及び紙製品の輸入動向がわかる。結果、明清期の中国における紙の生産と流通、さらに製紙技術がどのように琉球に伝達したかについても解明できた。 2.中国と琉球の海域で、「モノ」を運搬した琉球の船(進貢船・接貢船)にも着目した。具体的な作業としては、様々な絵画史料から琉球船を中心に画像収集を行った。さらに薩摩-琉球問の海運・流通状況について、評定所文書を中心に分析した。これらをもとに、船の運航状況や船体構造などについて分析を進める予定である。 3.交易品として、「唐茶」も重要である。『清代中琉関係档案選編』では「中茶葉」・「細茶葉」などと表記されるが、その種類までは明らかでない。そこで具体的な品種とその流通状況を解明するために、茶に関する琉球・中国双方の史料収集に努めた。 4.近江堅田の商家文書である「北村家文書」を調査し、特に「琉球産物」の中でも薬種に関する史料を収集した。これにより、輸入薬種の数量に関する情報が在地レベルにもすでに伝播していた事が明らかとなった。
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Research Products
(8 results)