2005 Fiscal Year Annual Research Report
「雲夢龍崗秦簡」の注釈による秦史の再構成に関する研究
Project/Area Number |
17520474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
馬 彪 山口大学, 人文学部, 教授 (20346539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 元男 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60225167)
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Keywords | 秦簡 / 禁苑 / 簡牘文字 / 城址 / 雲夢 / 墓葬 / 楚王城 / 考古 |
Research Abstract |
(1)文字篇の作成: 中国文物研究所編著『龍崗秦簡』(中華書局2001年)に収録されている図版をスキャナーでPCにデジタルデータとして取り込み、一字ごとに分割、部首ごとに整理し、番号を振ってこれらを基に文字篇データを作成し完成させた。 (2)訳注篇の作成: 全293簡の釈文案を作成した。来年度はこの釈文案に対して日中両国の専門家のご意見を聞いて修正案を作る予定である。 (3)現地調査と専門家訪問(2005/09/17〜2005/10/02): 9月に「龍崗秦簡」が発見された中国湖北省雲夢県の発掘現場に行って調査した。現場のシンポジウムで「龍崗秦簡に見える雲夢城の性格」という論文を発表、また現場で貴重な2冊の発掘報告書(『鄂東北考古報告集』と『鄂東北地区文物考古』)を手に入れた。7月の最新禁苑木簡が発見されたという情報により、9月に中国広州市における秦漢南越王宮署の発掘現場の考察に赴いた。今後の課題は、南越王宮署禁苑木簡と本簡との比較研究をすることである。 (4)国内専門家との討論: 分担者の工藤元男氏とは常に竹簡の内容だけではなく、墓主人や墓葬地についても討論を行ってきた。もちろん、最もよく検討したのは簡牘文字である。また、大阪産業大学の大川俊隆教授と何度も本簡の古文字について検討した。また、学習院大学の鶴間和幸教授にも禁苑と始皇帝の巡幸地の関係についても討論をした。 (5)関連論文の発表: 今年度に直接本研究に関する論文を2本提出した。それは「禁中不独宮中考」『周秦漢唐文化研究』第5巻と「城址と墓葬に見る楚王城の禁苑及び雲夢官の性格」『都市と環境の歴史学』第三集であり、いずれも「龍崗秦簡」をめぐって論考を行ったものである。 (6)経費の使用: 詳細は省略させていただくが、計画通り文字データを作る設備とアルバイトの費用・国内外旅費など、補助をしていただけなければ、以上の研究実績を出すことができなかったことは間違いないことである。
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Research Products
(7 results)