2005 Fiscal Year Annual Research Report
ユネスコの前身としての国際連盟学芸協力国際委員会の歴史学的検討
Project/Area Number |
17520486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
廣部 泉 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80272475)
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Keywords | 国際連盟 / ユネスコ |
Research Abstract |
国際文化交流の歴史的展開や国際連盟を初めとする諸機関を検討する上で必要な、国際機関に関する基本文献を収集し、その通読を行った。未刊行史料に関しては、道内にほとんど所蔵がないため、国内出張を実施し、国立国会図書館所蔵のマイクロフィルム史料、東京大学総合図書館所蔵の国際機関関係資料、並びに外務省外交史料館所蔵資料の外交閲覧を行った。その結果、両大戦間期において、日本が国際文化交流の分野において少なからぬ影響を果たしたことが明かとなってきた。もとよりその活動の中心は1920年代であるが、国際連盟脱退以後も、関係者を派遣して関与し続けていたその実体が明かとなってきた。また、国内調査と並行して国内未所蔵の資料を閲覧・収集するため海外調査を実施した。その結果、これまで英仏主導で行われてきた国際連盟による国際文化交流に、国際連盟未加盟国であるアメリカ合衆国が、大きく関与していたことが明かとなってきた。常に英仏、特に英国の関係者と連絡をとり、またオブザーバーを派遣するという形で関与し続けていた。そのような活動におけるコロンビア大学ジェームズ・ショットウェル教授の役割の重要性も明かとなってきた。また、欧州における第二次世界大戦勃発後は、その動きを止めていたかに思われていた、国際文化交流が、国際文相会議などの活動によって大戦中も受け継がれてきたこと、そのため、時期区分を第二次世界大戦前と後で分けることの危険性が明かとなった。
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Research Products
(1 results)