2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユネスコの前身としての国際連盟学芸協力国際委員会の歴史学的検討
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17520486
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
廣部 泉 北海道大学, 大学院文学研究科, 助教授 (80272475)
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Keywords | 国際連盟 / ユネスコ / 新渡戸稲造 |
Research Abstract |
本年度も引き続き、第二次世界大戦後にユネスコとして結実した国際連盟の知的交流事業について検討を行った。本年度は特に1919年から1922年までのその創設期における状況を中心に、これまで収集した資料、中でも国際連盟文書館に所蔵されている国際連盟事務局、常任理事会、並びに国際連盟知的協力国際委員会関係の資料、加えて、ユネスコ文書館所蔵のユネスコ設立以前の資料、マイクロフィルム化されて国会図書館に所蔵されている国際連盟の資料などの分析を中心に進めた。その過程で知的協力国際委員会のアメリカ代表であるジェームズ・ショットウェル教授のニューヨークのコロンビア大学バトラー図書館所蔵の膨大な資料の中に本問題に関する一次史料が大量に残されていることが判明した。それを受けて、資料調査を実施し、その複写収集に努めた。その結果、国際連盟知的協力国際委員会の創設には、ベルギーの国際機関推進グループと、フランス政府とのせめぎ合いが重要な役割を果たしたこと、そしてそのせめぎ合いが、大戦中の文相会議、戦後のユネスコ創設に向けて大きな役割を果たしたことが明らかとなった。また、その創設過程において、国際連盟国際事務部の責任者を兼ねる事務次長であった新渡戸稲造が重要な役割を果たしたこともあきらかとなった。その成果の一部は、『北大文学研究科紀要』に掲載された「国際連盟知的協力国際委員会の創設と新渡戸稲造」と題する論文という形で公表した。
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Research Products
(2 results)