2005 Fiscal Year Annual Research Report
古代ギリシアにおける公共圏と民主政コード形成の比較文化史的研究
Project/Area Number |
17520496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
橋場 弦 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10212135)
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Keywords | ギリシャ / 民主政 / アテナイ / 賄賂 / 公共性 / ポリス / 贈与 / 法制度 |
Research Abstract |
(1)研究代表者(橋場)は、まず前古典期におけるギリシア諸ポリスにおいて、とくに初期成文法成立過程を、残された碑文をもとに解明することを課題とし、碑文集のテキストを検索、収集することにつとめた。とくに、民主政(的)コード形成との関わりにおいて、賄賂を禁止する法令が、いつ頃、どこから発生したのかを、キオス碑文などを手がかりに考察した。 (2)上記の研究課題を追求する目的で、関連する基礎的史料および研究文献を網羅的に収集し、コンピュータによって整理した。資料収集のためには、国内にある図書、雑誌論文を入手するために、数度にわたって国内出張を行った。また収集した資料を整理するための謝金を支出した。 (3)さらに9月から10月にかけて、ギリシア共和国に資料収集の目的で出張し、主としてアテネ国立碑文博物館(Epigraphical Museum)において、関連する碑文を直接精査し、既存の公刊テクストとの比較照合を行い、また多くの写真を撮影した。また関連する遺跡を調査し、アテネのアゴラ遺跡において、公職者(アルコン)が宣誓を行った「王のストア」正面の宣誓の石を調査した。また民主政コードの運用実態を調べるたあに、プニュクス民会議場跡を調べた。 (4)同時に、これまでの研究成果を英国ケンブリッジ大学の伝統ある学術雑誌Proceedings of Cambridg Philological Society(PCPS)に学術論文として投稿するためめ準備作業を進め、英文原稿を作成した。その英文校正を英文校正会社に依頼し、費用を支出した。 (5)たまたま日本国内を訪れていたケンブリッジ大学教授Paul Cartledge、およびダラム大学名誉教授Peter J.Rhodesに面会し、上記課題について意見交換し、また上記英文学術論文についてのレヴューを依頼し、討論した。
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Research Products
(1 results)