2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520503
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 真 駒澤大学, 文学部, 助教授 (70265966)
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Keywords | 近代史 / フランス / 絶対王政 / 軍事 / 王権 / 図像学 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続きアルマナの研究を行い、夏にフランスにおいて昨年度調査できなかったものについて、実際に図像の内容を確認した。また、これと並行して、パリのサン・ドニ門やサン・マルタン門など、現存するルイ14世期の建築物を調査するとともに、それらの建築物について同時代に著述された文献をフランス国立図書館で文献を調査した。以上より、現在では以下のことが明かとなっている。 1.現在アルマナについての内容分析を実行中であるが、ルイ14世期については戦争や国際関係に関する物が非常に多く、「戦争王」としてのルイ14世のイメージが社会の様々なレヴェルにまで流布していることが確認できる。また、アルマナの内容とアカデミーレヴェルでの王権の称揚プログラムとは、一定程度リンクしていると考えられる。 2.サン・ドニ門やサン・マルタン門についても同様で、レリーフによりオランダ戦争の場面が描かれている。また、この他に当該時期には現存してない凱旋門などの建築物が多く造られており、その内容を検討すると、ルイ14世期にパリの都市改造が計画され、そこにおいてはバロック的な王権の表象がなされていることが明らかとなった。 3.17世紀に数多く出版された、戦争や王権のイメージに関する同時代人の著作物を国立図書館で閲覧した結果、著述内容に一定のパターンがあることが確認された。今後はその理由についても調査する予定である。 次年度については、この2年間で行った調査の欠落部分を埋めるとともに、調査結果をより大きな枠組みの中に位置づけるような業績を発表する予定である。
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Research Products
(1 results)