2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520503
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 真 Komazawa University, 文学部, 准教授 (70265966)
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Keywords | 近代史 / フランス / 絶対王政 / 軍事 / 王権 / 図像学 / 戦争 |
Research Abstract |
本年度は夏にフランス国立図書館で集中的に調査を行い、王権と戦争に関する同時代文献などを収集するとともに、当時の建築やアルマナに関する資料を閲覧した。以上、3年間の調査をもとに当時の戦争と王権の表象との関連について以下のような結論を導き出した。1.17世紀のフランスにおいて、戦争の正当化と王権論は非常に密接な関係を持っていた。当時の正戦論は、主権論と結びつき、フランスの領域的一体性を主張する議論を展開したのであり、まさにそこにおいては封建国家とは異なる国家像が提示されていた。2.王権がパリ市内に建築した建造物(広場や市門)においては、王権の卓越性が表現されていたが、その表現において重要な役割を果たしたのが、戦争における勝利であった。パリ市内のみならず、リール市の凱旋門や主要都市における国王騎馬像建設プロジェクトにおいても、この同じ「文法」が存在していることも明かとなった。3.アルマナに関しては、その内容や表現方法について統計的な分析を行った(「研究発表」参照)。その結果、以下のことが判明した。(1)アルマナの表現方法を考察すると、それが絵画などよりもより民衆的な層を対象としたものであること、(2)ルイ14世期のアルマナは戦争や国際関係に関する物が圧倒的に多く、「戦争王」としてのルイ14世のイメージを社会の様々なレヴェルにまで流希することに貢献した。
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Research Products
(3 results)