2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
印出 忠夫 聖心女子大学, 文学部, 助教授 (30232721)
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Keywords | フランス / 中世史 / キリスト教 |
Research Abstract |
初年度にあたる平成17年度は、18年度に予定されるフランス留学のための準備の年であった。 1 テーマ理解 研究文献の精読を通じて、当初の予定通り、11世紀から13世紀初めころまでのアヴィニョンを含むプロヴァンス地域の聖職者の実態とその歴史的構造変化について概括的理解を得ることができた。11世紀には現地の貴族層と高位聖職者層は一体的であったが次第に離間を強めて中世末期に至る。その際、わが国ではほとんど関心を向けられていないナポリ王国による当該地域への強い影響力を知ったことは収穫であった。 2 補助金使用 物品費の大半は現地での調査に必要なパソコン、デジタルカメラおよびその付属品類の購入に充てられている。 9月には旅費を使用して、ほぼ1週間にわたり留学予定地のフランス、リヨン市の社会科学高等研究院Ecole des hautes etudes en science socialsを訪問し、研究指導者のJ.Chiffoleau教授から施設の状態について教示をうけるとともに、今後の研究方向について打ち合わせを行うことができた。その結果として、現時点では、ヴォークリューズ県立文書館に所蔵されている未刊行史料により、アヴィニョン司教座参事会の総合研究の第一歩として、同参事会の経済的基盤とその経営構造の変遷の解明に焦点を当てることを考えている。
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