2006 Fiscal Year Annual Research Report
古墳時代中期における短甲の同工品に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17520517
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
滝沢 誠 静岡大学, 人文学部, 助教授 (90222091)
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Keywords | 考古学 / 古墳時代中期 / 軍事組織 / 甲冑 / 横矧板鋲留短甲 / 同工品 |
Research Abstract |
本研究は、古墳時代中期の軍事組織を解明する前提として、鉄製甲冑の生産と供給に関する議論を深化させることを大きな目的としている。具体的には、横矧板鋲留短甲の細部データを検討することにより、同一の基本設計をもつ同工品(同一の工人または工人集団の製品)を抽出することを第一の目的とし、また、そうした作業をつうじて、短甲の生産と供給にアプローチするための基礎的な方法や視点を獲得することを第二の目的としている。 上記の目的を達成するためには、これまでにない詳細な計測データや画像データの収集を行う必要があり、本年度は以下の資料について調査(観察調査を含む)を実施した。 1.新潟県飯綱山10号墳出土短甲(飯綱考古博物館) 2.宮崎県内出土短甲(宮崎県立西都原考古博物館、宮崎市教育委員会、えびの市教育委員会) 3.熊本県伝佐山古墳出土短甲(熊本市立熊本博物館) 4.大分県扇森山横穴出土短甲(竹田市立歴史資料館) 5.奈良県後出古墳群出土短甲(奈良県立橿原考古学研究所) 6.大阪府黒姫山古墳出土短甲(堺市立みはら歴史博物館) 7.和歌山県大谷古墳出土短甲(和歌山市立博物館) 8.千葉県布野台遺跡出土短甲(香取市小見川文化財保存館) 9.茨城県舟塚山17号墳出土短甲(石岡市教育委員会) 本年度の調査をふまえて検討した結果、横矧板鋲留短甲においては、覆輪手法と蝶番金具の形状に一定の相関関係があり、大きく二つの系統が存在するとの見通しを得るにいたった。最終年度となる次年度は、補足的な資料調査を行うとともに、さらに詳細なデータを検討して研究目的の達成を目指す予定である。
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