2005 Fiscal Year Annual Research Report
西日本の島嶼部に立地する積石塚墳の系譜と関係に関する研究
Project/Area Number |
17520526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The International University of Kagoshima |
Principal Investigator |
大西 智和 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (70244217)
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Keywords | 積石塚 / 古墳時代 / 須恵器 / 副葬品 / 島嶼 |
Research Abstract |
積石塚の基礎的なデータを得るために、鹿児島県出水郡長島町において、明神古墳群のフィールド調査を行った。調査は2005年12月27〜31日と2006年2月23日〜26日に実施した。調査の内容は、積石塚の詳細な分布状況の測量と、個々の古墳の観察記録である。調査の結果、石室の形態や構築方法には大まかな共通性と、細かなバリエーションがみられることが明らかになった。また、程度の差はあるが、観察した石室はいずれも横穴式石室の影響を受けたものであること、石室の主軸の方向に共通性がみられることなどを確認することができた。 また、山口県萩市見島ジーコンボ古墳群、長崎市曲崎古墳群においてフィールド調査を実施した。調査内容は、古墳の立地状況や古墳群の広がりの確認、観察可能な墓について構築方法の観察や記録の作成である。 いずれの調査にも研究補助を雇用し、作業の効率化を図った。調査の記録にはデジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのデジタル機器を多用した。画像まで含めたデータベースの構築に活用しやすいと考えたためである。 これらの調査によって、それぞれの古墳群の基礎的なデータが収集できたと考えている。立地の状況や石だけを用いて構築された墳墓である点は共通するものの、石室の形態や構築法については、個々の古墳はそれぞれ特徴を有することがわかった。現在のところ、これら西日本の島嶼部に広く分布する積石塚墳相互には、直接的な関係性は希薄であるという見通しを得るに至っている。 副葬品のうち比較的普遍的に出土している須恵器を取り上げ、その器種構成や編年的位置づけの検討を進めた。また、積石塚古墳に関する文献資料の収集も行った。
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Research Products
(1 results)