2005 Fiscal Year Annual Research Report
生活文化産業の創出による中山間地域経済の再構築に関する研究
Project/Area Number |
17520538
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡橋 秀典 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00150540)
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Keywords | 人文地理学 / 農村地理学 / 中山間地域 / 生活文化産業 / 観光産業 / 地域経済 / 景観保全 / 農家民宿 |
Research Abstract |
平成17年度は、農村型ツーリズムについて全国のいくつかの先進事例地域の調査を行うとともに、広島県の中山間地域において生活文化産業の展開と来訪者の実態調査を行った。 1)全国の農村型ツーリズム先進事例の調査 北海道の十勝地方・新得町と大分県の豊後高田市における農村型ツーリズムについて調査を行った。北海道新得町では農家民宿が展開しているが、酪農や牧羊といった農業、さらに乳製品や羊毛製品などの加工品の製造などが複合する形で生活文化産業が展開しつつあることが判明した。豊後高田市では、中世の地割りを残し農村景観保全への取り組みが進んでいる田染荘を対象としたが、農家民宿が生まれつつあるものの、生活文化産業への取り組みが弱いことが判明した。今後、相互の比較検討を進める予定である。 2)広島県福富町における農村型ツーリズムの調査 ここでは、生活文化産業がある程度地域的に集積しているケースに焦点をあて、集積のプロセスと意義を検討した。対象地域は東広島市福富町の上竹仁地区である。ここでは行政に頼るのではなく民間主導で自然に事業所が集積し、それらの相互交流から「こだわりの郷」を作り上げ、多くの来訪者を集めてきた。今年は、来訪者のアンケート調査を行い、その需要の特性と来訪者の分類を行った。生活文化産業としては食事の提供などより複合的な形態が求められている。 以上をふまえ、来年度は事例地域の比較検討作業を進めるとともに、東広島市福富町の事例について成果をまとめたい。
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Research Products
(1 results)