2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520549
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
橋本 征治 関西大学, 文学部, 教授 (50067633)
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Keywords | 人文地理学 / 農耕文化 / 黒潮ルート / 文化伝播 / 地誌 / 琉球 / 台湾 / フィリピン |
Research Abstract |
前年度は主として台湾、特に蘭嶼のヤミ族の根栽農耕文化の実態調査と文献・資料の収集を行い、根栽農耕文化圏黒潮ルートの重要な一角を占める台湾の位置づけをかなり明確にすることができた。今年度は、台湾調査の整理と、応募時の研究目的・計画にも示したように台湾に隣接する北部フィリピンに調査範囲を広げ、イモ栽培文化の実態の把握と基層的な文化層の掘り下げに努めた。2006年8月にはフィリピン調査を実施した。フィリピン大学・ベングェト州立大学・NPRCRTC等で各種のイモ栽培関係の文献と資料の収集を行った。また、ルソン島マウンテン州ボントクを中心として実地調査を行い、タロイモ・サツマイモ等のイモ栽培文化の実態を詳細に把握することができた。2007年3月にもフィリピン調査を行う。フィリピン大学等では引き続き文献収集につとめるとともに、バタネス州バタン島にて実地調査を行い、伝統的農耕の把握と資料収集を行った。なお、2007年1月には研究成果の一端を報告した。また、2006年2月には、沖縄県那覇市・糸満市・名護市等にてイモ栽培関係の文献・資料の収集を行った。 研究協力者のフィリピン大学助教授のシンティア・N.・ザヤスは18年12月〜2007年1月にフィリピンのフィリピン大学と台湾蘭嶼のヤミ族と関係の深いバタネス州のバタン島にてイモ栽培について資料・情報収集と現地調査を行い、研究代表者に収集資料・文献を提供・報告した。台湾中央研究院研究員の余光弘とは研究情報の提供と研究交流を行った。その成果は別紙記載のシンポジウムでの発表に反映されている。吹田博物館学芸員の賀納章雄は2006年12月に沖縄県宮古島にて伝統的畑作農耕に関する調査を行い、その成果を研究代表者に報告した。関西大学非常勤講師の水田憲志は2007年3月に石垣島における台湾系住民の農耕に関する資料収集と現地調査を実施し、その成果を研究代表者に報告した。
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