2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520554
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 潔 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (60217841)
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Keywords | 伝統 / 言説 / マス・メディア / バリ / 地方紙 |
Research Abstract |
今年度は以下のように研究を進めた。 1.資料収集およびメディア・テクストの分析 昨年度の調査では、すでに、Fajar BaliやTaksuが市場から姿を消しつつある一方、新たに創刊された新聞(Patroli Nusantara)、タブロイド(Suar Bali)もあるとした。さらに今年度の調査では、Taksuは月刊誌に移行し生き延びていることを確認し、さらに次のようなタブロイドが新たに発行されていることを発見した:Tabliod Marhaen Muda、Tabloid Ajeg Bali、Pelita Spiritual、Tabloid Galang、Penjor Bali。 Penjor BaliやSuar Bαliは、現代バリにおけるバリ・ヒンドゥー教の儀礼やバリの伝統文化を強調するという点で、Bali Aga(とその模倣誌)、Taksu、Saradといったこれまでの改革期のバリのタブロイドや雑誌と特徴をかなりの程度共有している。また、Pelita Spiritualは瞑想やヨガとバリ・ヒンドゥー教との結びつきという点で、タブロイドとしては新しいが、以前からある同じ発行者による雑誌と同系統である。一方、Tabloid Marhaen MudaとTabloid Ajeg Baliはそれらとかなり異なり、これまでのバリにはほとんど見られなかった特徴である政治色が強い。このような政治的なタブロイドが出てきたのは、バリの地方プレス全体の傾向が政治志向のプレスへと回帰したというのではなく、おそらく、地方政府首長(県知事)選挙が関連している。 2.調査結果の発表 テクストの分析は継続中であるが、暫定的な調査結果を、バリ州デンパサール市のウダヤナ大学文学部にて発表した(使用言語はインドネシア語)。 3.調査報告書作成 ウダヤナ大学文学部での発表資料をもとに、本研究計画の成果報告書を作成した。
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