2007 Fiscal Year Annual Research Report
漁民社会における民俗形成と変容に関する微視的研究-伝承主体としての漁民家族
Project/Area Number |
17520561
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
高桑 守 Daito Bunka University, 国際関係学部, 教授 (60127769)
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Keywords | 漁民家族 / ライフヒストリー / 家族誌 / 漁民社会の民俗形成 / 女性の役割 / 漁民社会の地域変化 |
Research Abstract |
本研究は平成17年度より3カ年にわたり日本の漁民社会3地域(大分県佐伯市米水津、山口県下関市吉母浦、宮城県牡鹿郡女川町江ノ島)において民俗変容に果たしてきた漁民家族の実態や役割をライフヒストリーや家族誌などの分析をとおして微視的に検討しようとするもので、本年度はその最終年度である。それ故、17年度、18年度に引き続いて3地区の漁民家族把握のための調査を実施してきた。実施状況は以下の通りである。米水津(9/14-18、10/13-16、20年1/2-6)、江ノ島(9/20-24、11/3-5、11/23-26)、吉母浦(9/28-10/1、12、/26-30)。通常は夏期休暇を利用して長期間滞在の調査を実施するが、本年度はこの夏期休暇の大部分を学生の現地研修の引率教員として中国での滞在を余儀なくされたため、学期中の講義や行事の合間での短期間調査となり、あまり効率を上げるころができなかったことは残念である。しかしながら、それぞれ3地区において、各地区の漁業実態との関連で、当該地区の数家族のライフヒストリー調査を深化させることができた。とりわけ、江ノ島地区では、女性たちの地域変化(原発施設の設置に伴う本土への移住)に関しての考えや行動を、調査を通じて考察することができ、漁民家族理解の上で、一定の成果をあげることができたと考える。成果報告書ではこのことを中心にまとめたい。
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