2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520567
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
舟山 直治 History Museum of Hokkaido, 学芸部, 研究員 (90181445)
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Keywords | 民俗芸能 / 伝承 / 保存会 / 地域間交流 / 祭礼 / 渡御行列 / 松前神楽 / 三匹獅子舞 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、道内各地域における民俗芸能の伝承者や芸態について、伝承元との比較研究をとおしてデータの集積と分類を行うことにある。また、民俗芸能に係わるデータを時系列に整理することによって新たな系統図を作成し、北海道の民俗芸能が本来持っていた特徴を可視的に導き出すとともに、データベース化することである。 平成20年度の民俗芸能調査は、調査対象として舞や踊りなどの無形民俗文化財だけではなく、伝承会や保存会の活動、民俗芸能に使われた道具類も取り上げ、民俗芸能が道内に伝播されるに至った経緯、あるいは北海道で伝承あるいは消失した過程を明らかにしてきた。調査した道具類は、民俗芸能の伝承会や保存会などが保管しているものだけではなく、すでに途絶えて博物館や神社などに保存されている道具類も含めて行った。 これらの調査をまとめると、道内各地域における民俗芸能の伝承者や芸態については、伝承元となった道外の民俗芸能との比較研究を実施し、データの集積と分類を行った。また、舞、道具類、台本など、北海道の民俗芸能にかかわる有形・無形の民俗芸能関係資料を掘り起し、類似する資料を持つ地域との相互比較によって、北海道における民俗芸能の芸態とその特徴を示した。その結果、北海道の民俗芸能は、道外からの移住者が郷里の民俗芸能を伝えたものだけではなく、アイヌ民族による歌舞、松前神楽や鹿子舞など近世和人地で古くから伝承されてきたものがあり、全国でも他に例をみないほどの豊富な民俗芸能が伝承されている希有な地域であることが明確となった。
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Research Products
(3 results)