2005 Fiscal Year Annual Research Report
個人情報保護における非権力的手法に関する比較法的研究
Project/Area Number |
17530015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 裕章 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20210015)
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Keywords | 情報法 / 個人情報保護 / 非権力的手法 / ドイツ法 / EU法 |
Research Abstract |
本研究は、個人情報保護における非権力的手法の活用可能性とその限界について、比較法的検討を加え、もって日本における今後の立法論及び解釈論の発展に寄与しようとするものである。本年度は、そのための基礎作業として、特にドイツ法に関する文献の検討を行い、現地において当該分野の第一人者にヒアリングを行った。 1 文献の収集及び分析 当初の予定通り、本年度は特にドイツに重点を置き、2001年の連邦データ保護法に関する第一次資料及び第二次資料を網羅的に分析し、非権力的手法の活用が図られていることを明らかにした。また、その後の改正の動向、特に2001年に公刊された「個人データ保護の現代化」に関する報告書(連邦内務省)とそれに対する学界や実務家の反応についても資料収集を進めたが、近年における技術的発展と情報ネットワークの発展に応じた新たな規制手法が議論されており、日本法にとっても非常に有益な示唆を含むことが判明した。 2 現地調査 以上の諸論点について生の情報を入手するため、2006年3月に現地調査を行った。訪問したのは、個人情報保護法に関する学界の第一人者であるフランクフルト大学のSpiros Simitis教授、当該分野の連邦における最高責任者である連邦データ保護情報自由受託官のPeter Schaar氏、ベルリン州における最高責任者であるベルリン州データ保護情報自由受託官のAlexander Dix氏である。その結果、文献からではうかがえない政府内外の様々な動きや、今後の発展について貴重な情報を得ることができた。
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Research Products
(3 results)