2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530025
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山本 悦夫 熊本大学, 大学院法曹養成研究科, 教授 (70230539)
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Keywords | 大学の自治 / 学問の自由 / 2002年大学法 / 大学管理会議 |
Research Abstract |
平成18年度における研究実績の概要は、以下の通りであった。 1.オーストリア2002年大学法の制度枠組みを、その改正法を含めて、同法のコンメンタールを基に詳細に検討すると共に、個々の研究論文や研究書を体系的に収集し、理論的な問題性を洗い出し、分析を加えた。 2.2002年大学法の具体的な問題性については、2002年法によりの大学改革を積極的に行うオーストリアの連邦教育科学及び文科省(Bundes-ministerium fur Bildung, Wissenschaft und Kultur)による諸資料と、これに対して、改革に消極的なウィーン大学の学内文書の他に、オーストリア憲法裁判所の2002年大学法についての2004年の判決(一部違憲)を中心にして、科学・文化・経済領域から選出される者、政府・政党に属さない有識者、そして、当該大学の構成員でない者のうちから選出される5名からなる「大学管理会議」の組織の合憲性を検討した。この大学管理会議は、大学の管理運営機関として位置づけられており、このような機関が大学外の構成員から組織されていることが民主的な大学組織といえるかが憲法裁判所で争われた。わが国においても、国立大学の経営と教育についての役割分化が行われ、経営部門については大学外部からの人選が行われている。大学の外部からの意思が大学の自治にどのように作用するかを検討する。 3.研究成果は熊本大学法科大学院研究年報に近々発表の予定である。
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Research Products
(2 results)