2005 Fiscal Year Annual Research Report
欧米憲法理論のアジアへの導入とその展開-日本・台湾憲法学の比較憲法的研究
Project/Area Number |
17530028
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
今関 源成 早稲田大学, 大学院・法務研究科, 教授 (90147942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸波 江二 早稲田大学, 大学院・法務研究科, 教授 (00155540)
樋口 陽一 東京大学, 名誉教授 (60004149)
西原 博史 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10218183)
大須賀 明 東洋大学, 法務研究科, 教授 (80063593)
岡田 信弘 北海道大学, 法学研究科, 教授 (60125292)
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Keywords | 比較憲法 / 台湾憲法 |
Research Abstract |
2006年3月4、5日の両日にわたって、台湾側10名、日本側15名の参加を得て、日台憲法研究交流会を早稲田大学において開催した。(1)国家・主権および国家的アイデンティティー(顔厥安・台湾大学教授、石川健治・東京大学教授)、(2)憲法の制定と改正(陳慈陽・台北大学教授、毛利透・京都大学教授)、(3)非列挙人権の保障(李震山・政治大学教授、宍戸常寿・首都大学東京助教授)、(4)基本権保護義務論(李建良・中央研究院研究員、小山剛・慶応大学教授)、(5)直接民主制(張文貞・台湾大学教授、岡田信弘・北海道大学教授)、(6)違憲審査の基準と方法(黄舒芃・中原大学助教授、市川正人・立命館大学教授)、(7)「法律の留保」理論の発展と変遷(蔡宗珍・台湾大学副教授、戸波江二・早稲田大学教授)、以上の各テーマについて双方の報告を受けて討議し、台湾と日本の憲法理論の状況に関する比較検討を行なった。 7つのテーマに関する比較検討を通じて、日台憲法学が直面している問題状況の共通性、共通の準拠枠組みとしてのドイツ憲法理論の存在、アメリカの憲法理論の影響力など日台憲法学に共通する部分を確認し、アジアにおける欧米憲法理論の受容に関する比較憲法学的考察を行うことの可能性と意義を改めて確認することができた。他方、日本の憲法理論の台湾への影響の減少と、日本における台湾への研究関心の低さを改めて認識し、その意味においても日台憲法交流を継続する必要性は高いと感じた。 次回の研究会は、2006年度に台湾において行われる予定である。 本研究交流会の成果は、2006年度中に単行本として刊行する予定である。
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