2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530029
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
占部 裕典 同志社大学, 大学院司法研究科, 教授 (10193971)
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Keywords | 地方公共団体 / 税業務の共同化 / 滞納整理手続 / 自治体課税権 / 地方税法 |
Research Abstract |
17年度〜18年度において、地方公共団体における税業務の共同化についての理論的研究、実務的研究をおししたところであるが、昨年度は特に税実務の共同化にあたっての地方税法条の制約(地方税法上の障害・問題点)を憲法・地方税法における自主課税権等について法理論的研究をおこなったところである。本年度は具体的に共同化にあたっての法解釈上、実務上の問題についての検討をおしすすめた。現在、地方公共団体におしすすめられている「地方税徴収の合理化・効率化」を目的とした。現在自治体で進行中の共同化作業をみながら、共同化にあたっての枠組みの検討及び共同化の具体的な内容についての検討をおししめていった。結論のみを概略すれば、以下のような報告のとりまとめの方向性あるいは成果をおおむねえている。 (1)現在の市町村の課税処分・滞納整理に国税のそれと比して大きな税務行政上の問題が存する、(2)そのような問題を整理したうえで共同化の枠組みを構築すべきである、(3)市町村・地域によって納税への姿勢等が異なり、地域の実態に即した共同化をも考慮に入れる必要がある、(4)滞納整理に課題が多いという点では自治体で意識の一致はあると思われる(大口困難案件処理のための組織化はすすんでいる)、その余の部分での共同化をなお積極的におししめる必要がある(「徴収」から「課税・徴収・不服申立て等」に共同化を拡大していく必要がある。不服申立てや税務調査等についても踏み込んだ検討が必要である、(5)税業務の共同化にあたっての組織的検討も不可欠である(公務員の身分、電算化、情報保護等)、(6)地方への税源委譲に伴い地方税法における租税債務手続規定へみなおしが、実体法の改正とともに不可欠である、等 直接的な成果として現在「地方公共団体と自主課税権」(慈学社)から単著での公刊作業をすすめている(現在初校段階である)。 資産税関係論文集成(財団法人資産評価システム研究センター)2006年版に「憲法改正と地方財政権」(昨年度公表論文を加筆)が登載された。
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Research Products
(10 results)