2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和田 肇 名古屋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30158703)
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Keywords | 労働契約 / 民法 / 企業再編 / 労働判例 |
Research Abstract |
労働契約の構造に関する研究を中心に行った。 1. 1980年代以降の日本の労働契約法・労働保護法・労働市場法を中心とした労働法の再編過程を分析した。とりわけ1990年代以降の労働法分野での規制緩和政策が労働市場や労働法にもたらした否定的影響について分析し、憲法的視点からその問題点を剔りだし、今後の再編の方向性を探った。この間の労働法政策は、市場や経済論理を主導にした、非規範的なものであり、それを再び規範論の視点から再編する必要性が明らかにされた。 2.労働契約理論に関する判例の総合的な分析を行った。この2年間の約300本の判例を対象にした。労働市場や労働法の再編が、労働判例にも色濃く投影されていることが明らかにされた。 3.企業組織再編が労働契約理論や労働法学に与えている影響について分析し、その再編の方向性を探った。会社法分野の企業組織再編が活発化している中で、労働法の立法対応が十分でないことが明らかにされた。判例の対応は、多くの可能性を示しているが、また限界があることも明らかである。労働契約理論を外から打ち破る危険性があり、早急な対応が必要となっている。 4.従来と同様に、労働法全般にわたる立法動向、判例動向、学説動向を分析した。 以上のうち1.ないし3.は論文として公表しており、4.は著書(共著)として出版されている。
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Research Products
(7 results)