2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域医療分野における競争政策上の課題に関する研究-医療のIT化の問題を中心に-
Project/Area Number |
17530046
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 吾郎 Okayama University, 大学院・法務研究科, 准教授 (20273956)
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Keywords | 独占禁止法 / 医療法 / 第五次改正医療法 / 情報の非対称性 / 事業者団体 / IT化 / 医療機能情報公表制度 |
Research Abstract |
本研究は、医療のIT化に関する実態調査、比較法的研究、経済学的研究を総合的に検討したうえで、医療のIT化に伴う競争政策上の課題を提示するとともに、それを解決するべき法的政策を具体的に提示することを目的とする。本年度は、地域医療分野における競争政策上の課題の提示および解決策の具体化を図るために、医師、病院経営者、医師会等の医療関係者および行政担当者にIT化に関するヒアリング調査を行うとともに、第五次改正医療法の内容に関する検討をも行った。その過程において、医療のIT化は、特に、IT化のための設備投資が、IT化による効果が明確でないために、必ずしも十分に行われていない現状が明らかとなった。このような状況を前提に、ヒアリング調査をふまえたうえで、地域医療分野における競争政策上の課題を、医療サービス市場における、患者・医療機関との情報の非対称性の問題に焦点をあてて研究を行った。改正医療法においては、「患者・国民の選択の支援に資する医療に関する情報提供の推進」のために、都道府県が医療機関によって届出がなされた医療機能に関する情報を住民に対してインターネット等で提供する「医療機能情報公表制度」を新設した。当該制度の課題と展望について、地域医療体制における役割を中心に検討を行った論文を公表した。さらに、第五次医療法改正による広告規制の見直しに関しても、情報の非対称性の是正と、その実効性確保措置は、どうあるべきかという視点から、検討を行った論文を公表した。
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Research Products
(2 results)