2005 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス労働法の新展開に関する理論的・比較法的研究
Project/Area Number |
17530049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
唐津 博 南山大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40204656)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 文人 北海学園大学, 法学部, 教授 (10145980)
石橋 洋 熊本大学, 大学院・法曹養成研究科, 教授 (70176220)
清水 敏 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (60136207)
古川 陽二 大東文化大学, 法学部, 教授 (10199432)
有田 謙司 専修大学, 法学部, 教授 (50232062)
|
Keywords | 労働法 / 労働契約・雇用契約 / 労使関係・労働関係 / 公務労働関係 / 雇用形態の多様化 / イギリス |
Research Abstract |
1.日本労働法学会第109回大会(2005年5月29日於:慶應義塾大学)におけるミニ・シンポジュウムの開催 (1)テーマ:「労働関係の変容と『雇用契約』-イギリス労働法学の示唆するところ」 (2)報告者:有田謙司、古川陽二、コメンテーター:唐津博、司会:石橋洋 (3)概要:有田が、雇用契約論の視点から、イギリスにおける近年の労働法理論の展開について検討、報告を行い、古川が、労使関係論の視点から、ブレアー労働党政権の労働法政策の意義と課題について検討、報告を行った。これをうけて、唐津が、日本における近年の労働法理論の新展開、すなわち従来の規範的労働法理論(権利アプローチ)に対して、新たな理論枠組として機能主義的労働法理論(労働市場アプローチ)が有力になりつつある現状に照らして、イギリスにおける理論状況を検討し、さらにはサッチャー保守党政権後の法政策の動向をさぐる、その意義についてコメントを行い、石橋の司会のもとに、質疑応答に移った。学会会員からの意見と報告者からの応答を通じて、イギリス労働法理論の検討から日本労働法理論の新たな議論枠組を得る可能性を探ることができた。なお、この内容は、日本労働法学会誌106号(2005年11月)に公表されている。 2.H.Collins, Employment Law(Oxford U.P.,2003)の翻訳検討作業のための研究会開催(2005年8月9-10日、同12月17日、2006年3月18-19日) イギリスにおいて新たな理論枠組のもとに精力的に労働法理論の再構成を試みているH.CollinsのEmployment Lawは、イギリスにおいても高い評価を得ており、その内容はイギリス労働法の研究者だけでなく、日本の労働法理論のあり方について関心を有する研究者にも重要な意義を有するものである。そこで、研究分担者だけでなく、他に研究協力者の参加を得て、その翻訳を行うこととして翻訳分担を決め、3回の研究会において、翻訳案を持ち寄り、検討を進めた。
|
Research Products
(5 results)