2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530059
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松久 三四彦 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (10142788)
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Keywords | 時効 / 取得時効 / 消滅時効 / 除斥期間 / 取得時効の起算点 / 消滅時効の起算点 / 時効の援用 / 民法724条後段の適用制限 |
Research Abstract |
本年度は、まず、時効の援用、起算点、期間、不法行為による損害賠償請求権の期間制限に関する判例、学説のデータベースを作成し、研究資料の収集と充実をはかった。つぎに、存在理由論、援用権者の範囲、時効中断の基準、民法724条後段の起算点及び適用制限に関して研究をすすめた。最後のものは、約100件の裁判例を総合的に検討し、起算点に関する判例法理の内容を明らかにするとともに、適用制限についてはその出発点となる最判平成元年12月21日民集43巻12号2209頁と最判平成19年2月6日の関係を検討するものであり、近々公表予定である。また、最判平成18年6月16日民集60巻5号1997頁(B型肝炎訴訟)を研究し、これも近々公表予定である。すでに公表したものとしては、更生手続参加により中断した時効の進行開始時期、即時取得と取得時効、公立病院における診療に関する債権の消滅時効期間、についてのものがある。最後のものは、私法関係と公法関係という分類の当否につながるものである。なお、年度末の平成18年3月31日発行のため、昨年度の実績報告書には記載できなかったが、「不法行為賠償請求権の長期消滅規定と除斥期間」椿寿夫編・三林宏編『権利消滅規定の研究』(信山社)243〜261頁があり、本年度の研究の基礎となっている。
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Research Products
(3 results)