2005 Fiscal Year Annual Research Report
私法の憲法化現象と私法制度の再構成に関する比較法的・理論的研究
Project/Area Number |
17530065
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 敬三 京都大学, 法学研究科, 教授 (80191401)
|
Keywords | 私法 / 憲法 / 憲法の私人間適用 / 公序良俗 / 不法行為 |
Research Abstract |
平成17年度は、次の2つの作業を平行して行った。 第1に、「私法の憲法化」現象をとらえるための理論枠組みに関する調査・検討を行った。具体的には、この問題について、90年代なかばから新たな段階を迎えたドイツの議論をフォローするために、必要な資料を収集し、調査・検討を行い、それを踏まえてとくに私法にとって憲法がもつ意義と私法の独自性にっいて考察を深めた。 第2に、「私法の憲法化」現象に属する具体的問題のなかから、公序良俗論と不法行為法を取り上げ、以上の理論枠組みを具体的に展開する可能性を検討した。 1)公序良俗論をめぐる議論を「私法の憲法化」という視点から再検討を行い、とくに秩序論とは異なり、権利論にもとづいて公序良俗論を再構成する可能性について考察を深め、その成果の一部を公表した。 2)従来の違法性と過失をめぐる議論を「私法の憲法化」という視点から再検討を行い、とくに国家の基本権保護義務を基軸とした不法行為法の要件構成のあり方を検討した。 3)こうした基礎理論に関する検討をふまえて、不法行為法の各論として、とくに人格権に関連する諸問題、具体的には、プライバシー・名誉侵害に関する問題について、関連資料を収集し、調査・検討を行い、その成果の一部を公表した。
|
Research Products
(3 results)