2005 Fiscal Year Annual Research Report
控訴審改革に関する比較法的研究-控訴制限、弁論更新権を中心に-
Project/Area Number |
17530066
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松村 和徳 岡山大学, 大学院・法務研究科, 教授 (20229529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大濱 しのぶ 岡山大学, 法学部, 教授 (90194266)
草鹿 晋一 香川大学, 大学院・香川大学・愛媛大学連合法務研究科, 助教授 (30327118)
畑 宏樹 明治学院大学, 法学部, 助教授 (60296902)
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Keywords | 事後審的運用 / 更新権の制限 / 控訴審における釈明 / 人証調べ / 控訴審における和解 |
Research Abstract |
本研究は、ドイツ法、オーストリア法、フランス法、アメリカ法における控訴審改革の詳細を、統計資料や裁判実務の実態などを調査して、分析・検討し、その上で、わが国の控訴審の実態を調査し、理論的考察を行うことを予定していた。しかし、比較法的研究は、その資料調達等で時間を要することから、本年度の研究は、比較法的研究とわが国控訴審の実態調査を並行的に行うこととした。控訴審の実態は、聞き取り調査を中心に実施した。その調査結果から、5つのポイントを抽出し、控訴審改革の方向性とその点に関する比較法的研究を重点的に実施することにした。研究調査の結果、本研究において抽出した重点ポイントとは、以下の5つである。まず、(1)事後審的運用による審理構造の変革についてである。これは、とくに審理の合理化と訴訟促進の観点から、更新権の制限などの方策を中心に分析、検討することにした。第二に、(2)控訴審における釈明のあり方。これは、(1)の観点も関わり、とくに現実には事後審的運用がなされている控訴審での釈明のあり方について分析・検討を加えるものである。この点については、(広島高裁岡山支部の)裁判官からの研究会での報告を受け、検討を加えた。次は、(3)控訴審における人証調べについてである。これは、必要性の吟味も含め、直接主義とも関連してくる限定的実施という運用の適否について分析、検討した。第4に、(4)控訴審における和解についてである。この点は、和解時期、第一審判決の影響、心証開示状況などを中心に、とく各国における和解の取り扱いについての分析、検討をおこなった。最後に、控訴審判決書様式についてである。引用判決の抑制、事後審的運用のとの整合性を中心に分析、検討を行った。次年度は、これらの重点について比較法的研究を引き続き実施していく予定である。
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Research Products
(1 results)