2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス社会における次世代個人情報保護法制の比較法的研究
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17530088
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤原 静雄 筑波大学, 大学院ビジネス科学研究科, 教授 (30190094)
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Keywords | 個人情報保護法 / ドイツ / 過剰反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は、民間部門を包括的に規律するわが国個人情報保護法の次なる課題(第2世代の個人情報保護法の立法課題)を探ることである。そこで、本年度も昨年度に引き続き、わが国の現状を意識しつつ、諸外国の法制を調査、分析することに努めた。具体的には、特に以下のような実績がある。 1 昨年度の外国調査等の成果を踏まえ、ドイツの個人情報保護法の実際の運用について、わが国の過剰反応問題を意識した論文を公表した。 2 個人情報保護法制の柱の一つである、セキュリティすなわち安全管理措置の問題についても実態調査等を進め、その成果の一部を公表した。 3 地方公共団体レベルの個人情報保護に関連して、教育個人情報の問題について若干の検討を行った。 4 わが国やヨーロッパ諸国とは異なり、セクトラル(分野別)な規制をしているアメリカについて、最新の法制の動向の文献調査を行った。とくに、クレジット番号等が漏洩した場合に、暗号化していない個人識別情報等の本人への通知義務を定めるカリファルニア州法の影響について調査した。 5 海外調査については、本年度は、ドイツのシュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州独立情報委員会(キール)とシューファ(個人信用情報機関、ヴィースバーデン)、ボン大学等を訪問し、ドイツ、EU諸国の動向等の聴き取り調査を行った。具体的には、キールでは自主規制手法としての認証制度(わが国のマーク制度と類似する部分がある)の運用実態を、ヴィースバーデンでは、個人信用情報の利用の実態を調査した。
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Research Products
(4 results)