2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17530090
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
生野 正剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80128149)
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Keywords | まちづくり / 環境共生型都市 / まちづくり条例 / 景観 / 市民参加 / 都市計画法制 / マスタープラン / まちづくりと私権 |
Research Abstract |
本研究は、現在各地域において遂行されている町づくりの実態を把握し、その実施上の問題点や課題、その都市環境問題の改善への寄与等について分析することで、地域での環境共生型町づくりの今後のあり方とその推進策、支援策、法的制度的整備点を法的政策的観点から提言することを目的とする。その目的遂行のために、本年度は、町づくりを積極的に推進している自治体(東京都世田谷区・日野市・狛江市、大分県日田市・由布市旧湯布院町、福岡県太宰府市など)における町づくり・景観形成・循環型都市形成の実態調査を行うとともに、町づくり等に関する条例・要綱を収集し、分析した。その結果、現段階においては以下のことが判明した。 1 町づくり等に関する条例は、これまで受動的な開発規制中心であったが、現在、積極的に町づくり・景観形成を行う内容、しかも、それらへの市民参加の手続きと行政の支援が導入されつつある。 2 しかし、多くの自治体では町づくり等における私権との衝突に配慮して、その条例においては、私権規制を努力義務に止めるか、あるいは私権規制違反行為に対しては勧告、公表に止める場合が多く、私権規制を都市計画法、建築基準法に連動させるなど強い私権規制を行うケースはあまり見られなかった。 3 一方、町づくりが市民の協力の下に順調にすすんでいる所では、町づくり、景観形成、循環型社会形成そのものが市民側からの盛り上がりで行われているか(日野市、日田市、旧湯布院町など)、あるいは市民主体の町づくりシステムが採られている(世田谷区)。 4 したがって、町づくり等を私権や地域エゴに基づく反発をなくし、順調に推進していくためには、町づくり等を市民自身に主体的に構想、推進させ、行政は側面からそれを推進するというシステムを構築することが肝要である。現在、町づくり条例の内容はそのような方向に進んでいる。
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