2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530094
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
棚村 政行 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (40171821)
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Keywords | 離婚後の子の監護 / 子との面接交渉 / 親と子の面会交流 / 父母教育プログラム / 監視付き面会交流 / 親子の交流支援プログラム |
Research Abstract |
全国の家庭裁判所での2004(平成16)年度の子の監護に関する処分事件申立数は、2万6470件であった。このうち、養育費の請求が約80%近くを占めているが、面接交渉事件は4203件と全体の18.5%を占め、年々増加している。家庭裁判所で面接交渉について取り決めがあった2364件のうち、対象児童としては6〜9歳のケースが多く、月1回以上というのが50%を超えていた。しかし、父母だけでなく祖父母や再婚相手などをめぐって紛争が激化し調整困難なケースが増えており、最高裁判所としても、特別な予算措置を講じて「子の監護(面接交渉)事件のための父母教育プログラム」の一環として、ビデオ制作を開始した。 本研究では、東京家庭裁判所のカウンセリング調査官室、八王子支部の調査官室、社団法人家庭問題情報センター、面会交流の会(NPO)、FCL「安心とつながりのコミュニティー作りネットワーク」(NPO)と連携して、離婚後の親との面会交流を促進する具体的なプログラムや必要な支援内容について検討を加えた。その結果、紛争のほとんどないケースと対立葛藤の激しいケースでは必要とされる支援内容や情報、適切な援助者につき相当な差異があり、(1)一般的なガイダンスやオリエンテーションのプログラム、(2)紛争性の低い当事者へのプログラム、(3)紛争性がかなり高い当事者へのプログラムに分けて、それぞれの効果的な実施時期、実施主体、実施内容や実施方法等について検討すべきことが明らかになった。 来年度以降、当事者に配布される情報資料、視聴覚教材、グループディスカッション等の支援技法、ペアレンティング・コーディネーターや監視付き面会交流プログラムなどを具体的に検討し、裁判所や民間機関で具体的に実施可能な「親子の面会交流支援プログラム」の開発に努める。
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