2005 Fiscal Year Annual Research Report
第一次世界大戦への参戦問題を契機とするアメリカの改革派知識人の分裂とその意義
Project/Area Number |
17530113
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
苅田 真司 国学院大学, 法学部, 助教授 (30251458)
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Keywords | アメリカ / 社会科学 / 知識人 / 戦間期 / 第一次世界大戦 |
Research Abstract |
今年度の科学研究費補助金による研究の成果は、以下の通りである。 (1)戦間期社会科学の大まかな見取り図の作成と第一次世界大戦以前との対比に関しては、重要な同時代的資料の収集に努めるとともに、現代的な解釈の整理・分析を行った。その初期の成果の一端は、「戦間期アメリカ社会科学の一断面」(2005年度政治思想学会研究集会研究報告)として、口頭にて報告を行い、さらに、その後の成果を含めて、2006年度早々に論文の形で刊行する予定である。 (2)第一次世界大戦への参戦問題をめぐる知識人の動向に関しては、何人かの重要な人物を取り上げて、公刊されている資料を中心に第一次世界大戦前後の動向を整理した。また、未公開の資料に関しては、2005年8月31日〜9月6日まで、アメリカ合衆国コロンビア特別区ワシントン市に出張し、連邦議会付属図書館および国立公文書館所収の資料を閲覧・収集した。その際、チャールズ・メリアムやミッチェルなどの、いわゆる狭義の社会科学者だけでなく、ジョン・デューイやウォルター・リップマンなど、知識人の思想的バックボーンになった人々の動向も合わせて検討した。この点についての成果の一端は、ウォルター・リップマンに関する小論として、2006年度早々に刊行される予定である。 (3)研究を進めていく過程で、当初の研究計画で予定していた以上に戦間期のラディカルな改革派知識人の影響力が大きいことが次第に明らかになった。そのため、ランドルフ・ボーンやデューイだけでなく、チャールズ・ビアードやロバート・リンドなどの非共産主義的改革派知識人の動向に関しても、資料の収集と分析を進めた。
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