2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 康志 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40193776)
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Keywords | 社会資本 / 政策コスト / 財政政策 |
Research Abstract |
社会資本整備の政策評価の研究では,便益評価のための望ましい集計レベルを検討するため,まず集計データを用いた社会資本の生産力の計測をおこなった研究の実証分析を展望した。その結果,90年代の社会資本の水準が効率的であったか否かついては確定的な結果を導き出せないことがわかった。これには,集計データを用いたことの誤差の影響があることが示唆される。この作業に,社会資本の生産性を計測することの政策的意義についての解説も加え,「公共投資は役に立っているのか」にまとめて,発表した。 つぎに,理論的に密接な関係がある政策コストと行政コストの関係が実際の数値では明確でないことの理由を検討するため,類似した業務に携わる機関が多数存在する公的金融機関を対象にして,行政コストの公表がはじまった2000年度から2004年度までのデータにより実証分析をおこなった。行政コストと比較可能な政策コストは計算期間で基準化する,異常値を除去するなど適切な処理をすることによって,行政コストが政策コストに対して説明力をもつことが明らかになった。 この他,今年度は,将来の財政のあるべき姿を描くための基盤となる研究として,先進諸国での安定化政策における財政政策の位置づけについての比較研究,政策財政健全化過程における国と地方の収支改善目標のあり方と地方財政計画・交付税制度の改革,公的金融機関の組織形態のあり方,消費税への軽減税率適用の効率と公平に与える影響のシミュレーション分析,等の研究をおこなった。
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Research Products
(4 results)