2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530142
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小佐野 広 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (90152462)
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Keywords | 株価連動型報酬 / 企業統治 / インセンティブ設計 |
Research Abstract |
これまでの研究の仕上げとして,株価連動型報酬制度の理論モデルとして,企業組織の中で経営者や中核的従業員がチーム的な活動をするケースや複数職務を持つケースに焦点を絞った株価連動型報酬モデルをより洗練されたものに拡張して,従業員の移動の内生的決定や従業員の選別を強化するというインセンティブ問題を取り扱うモデルの拡張発展を試みた。また、とくに経営者のモデルでは、連続時間モデルへの拡張を試みて,経営者を解雇して新たな経営者に取り替えるタイミングの問題をリアル・オプションのモデルを組み合わせて考察した。同時に、前年度と同様に、ブラック・ショールズ式などを使ったオプションの計算が取り込めるようにした。さらに、前年度と同じくどのタイプの株価連動型報酬制度がよいのかということを明確するという目的から,現実に存在する株価連動型報酬の種類(たとえば,ストック・オプション,譲渡制限株式,パフォーマンス・ストック,従業員持株制度等)に応じてそれぞれ株価連動型報酬モデルを作って,各株価連動型報酬の種類ごとに,効率性や経済厚生を求めて,比較分析を行うことを試みた。 同じく前年度に行った,敵対的企業買収における株主連動型報酬の役割や新株予約権を使ったポイズン・ピルなどの役割についても研究を深めた。これらの問題については,すでに,経営者の株式保有との関連で,敵対的企業買収の分野でいくつか文献があり,実証研究もある程度までなされている関係で,それらの研究をサーベイし,何がどこまで明らかにされているかを把握していた。今年度も、ストック・オプションのような株価連動型報酬やポイズン・ピルがどのような効果をもたらすかについて分析が行えるような理論モデルをより深化させる一方,資本構成のようなレバレッジの効果がどのようにきくかを検討するモデルの構築も模索した。
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Research Products
(1 results)