2007 Fiscal Year Annual Research Report
貿易自由化の拡大過程における政府の補整的な産業政策と公共政策に関する理論的研究
Project/Area Number |
17530150
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大川 昌幸 Ritsumeikan University, 経済学部, 教授 (50291761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多和田 眞 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10137028)
岡村 誠 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30177084)
大川 隆夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (10258494)
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Keywords | international trade / trade liberalization / foreign economic aid / oligopoly / labor immigration / location choic / income redistribution / economic welfare |
Research Abstract |
平成19年度は本研究期間の最後の年となることから、これまでの研究の蓄積を成果としてまとめるために、研究分担者間の綿密な打ち合わせにもとづいて、本研究目的及び研究実施計画に沿う形で研究を進め、いくつかの学術的に意義深い大きな成果が得られたと考えている。 大川昌幸は、不完全競争のもとにおける経済援助と貿易の自由化の問題に焦点を当てた研究を行った。これまで、不完全競争市場を導入した援助の分析はほとんどなかったといえる。援助国(贈与国)の輸出財市場が不完全競争(独占)市場である場合、被援助国への所得移転が、各国の経済主体及び社会的厚生に与える影響を分析した。また、援助が被援助国の貿易自由化政策にひも付きとなる場合に、両国ともに厚生が上昇し、援助と貿易自由化が内生的に選択される可能性を分析した。 多和田眞は、ゲーム理論を応用して、国際寡占(複占およびそれ以上の企業数)の下での貿易国の最適貿易政策のあり方を、政府の政策タイミングと企業間の競争がシュタッケルベルグ・タイプである場合に焦点を当て、いくつかの新しい興味深い結論を導いている。また、国際労働移動、特に不法移民の経済的影響について、source国の賃金が下方硬直的で失業が存在するHarris-Todaroタイプのモデルの下で分析を行い、新しい結論を得ていている。 大川隆夫と岡村誠は、不完全競争のもとでの企業の国際間の立地選択行動と貿易政策の関係をいくつかのモデルのもとで分析し、受入国のマーケットサイズの大きさの相違を明示的に導入するなど、これまでにない現実的な仮定の下でたいへん意義深い結論を導き出した。
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Research Products
(14 results)
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[Book] 寡占市場と参入2008
Author(s)
大川 隆夫
Total Pages
200
Publisher
多賀出版
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より